つち

つち
I
つち【土】
小説。 長塚節作。 1910年(明治43)「東京朝日新聞」連載。 茨城の貧しい農民の生活を自然の推移とともに克明に写生した作品。
II
つち【土・地】
(1)地球の陸地の表面をおおう物質。 風化した岩石の細かいくず, 生物の遺骸およびその腐敗物, 微生物などよりなる。 土壌。

「~を耕す」「肥えた~」

(2)地球の表面。 地上。 大地。 地面。 古くは天(アメ)に対して地上界をさす。
「故郷の~を踏む」「天へ行かば汝がまにまに~ならば大君います/万葉 800」
(3)鳥の子紙の一種。 泥土を混ぜたあまり品質のよくないもの。
(4)値打ちのないもの, 顔形の劣ったもののたとえ。

「よしとみしかど, それは~なりけり/狭衣 1」

(5)地下(ジゲ)のこと。

「六位といへど, 蔵人とにだにあらず, ~の帯刀(タチハキ)の/落窪 1」

(6)あかぬけしていないこと。 また, いなか者。

「~のくせにせりふつけて/洒落本・風流裸人形」

(7)(「犯土」「椎」「槌」とも書く)陰陽道(オンヨウドウ)で, 土公神(ドクジン)のいる方角の土木工事を忌むこと。 また, その期間。 期間は暦の庚午(カノエウマ)から丙子(ヒノエネ)に至る七日間を大土(オオツチ), 戊寅(ツチノエトラ)から甲申(キノエサル)に至る七日間を小土(コツチ), 中間の丁丑(ヒノトウシ)の日を間日として, 一五日間続く。 つちび。

「~犯すべきをここにわたせとなむ言ふを/堤中納言(はいずみ)」

(8)書名(別項参照)。
~一升(イツシヨウ)金(カネ)一升
土地値が大変高いことのたとえ。
~が付・く
相撲で, 負ける。
~とな・る
死ぬ。 土になる。

「異国の~・る」

~を踏・む
その場所にたどり着く。

「故郷の~・む」

III
つち【槌・鎚・椎】
(1)物を打ちたたく工具。 頭は金属製または木製の円柱形で, これに柄をさしたもの。
(2)家紋の一。 {(1)}や才槌を図案化したもの。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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